精巣がんとは?
精巣は精子および男性ホルモンを産生しており、陰嚢内に存在します。精巣がんの発生頻度は10万人に1人と稀ながんです。若年者(20-40歳)に多く認められ、比較的良好な治療成績が期待できるがんです。
症状は?
片側の陰嚢の腫大が一般的な症状です。通常は疼痛はありませんが、違和感や痛みを伴うこともあります。陰嚢水腫や精巣上体炎などの良性疾患により同症状が認められることがありますが、陰嚢腫大や、陰嚢内に硬結(硬いもの)を認めた場合は早期に泌尿器科の受診をすることが重要です。
診断は?
超音波検査、MRI、CT、腫瘍マーカー(採血)で診断を行います。精巣がんを疑った場合は早急に手術で精巣を摘出します(通常の入院期間は4日程です)。摘出した精巣に病理検査(顕微鏡で組織を診断)を行い、精巣がんの確定診断および、精巣がんの種類(セミノーマと非セミノーマ)、Tステージ(腫瘍の広がり度合)を診断します。また、正確な転移巣を診断するためにPET-CTも行っております。
治療は?
基本的にはガイドラインに沿って治療方針を決定します。
精巣に精巣がんがとどまっていて、腫瘍マーカーが陰性化している場合は、治療を行わず、定期的に再発がないかを画像検査で経過を見ます。
転移している場合や腫瘍マーカーが陰性化していない場合は、抗がん剤治療、後腹膜リンパ節郭清術、転移巣の切除、セミノーマの一部のステージでは放射線治療を行っております。
後腹膜リンパ節施術術の際の射精機能温存や、抗がん剤治療を行う方で、挙児希望の方には関連病院との連携により積極的に精子の凍結保存も行っております。